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特撮

犬と悪魔(蓮真)

 ただいまあ、と間の抜けた声が玄関から聞こえ、どたんばたんがちゃん、と扉を閉める音がリビングまで響く。 同居しているわけではないのだから「ただいま」はおかしい。何度そう言っても、真司は頑なに「ただいま」と「お帰り」を欠かさなかった。 なん...
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間接キス(蓮真)

 経験値不足というのはいかんともしがたく、その不足を埋めるためには、とにもかくにもまずはがむしゃらに経験を積んでみるしかない。「……おい」 平気か、と上から降ってきた声に、目線だけでなんとか頷く。蓮の大きな手が、真司の耳を擽るように撫でた...
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つねりたい背中(蓮真)

 真司は蓮の背中が好きだ。 仮面ライダーとして戦っていた頃、よく追いかけた背中だ。黒いロングコートを翻し、長い脚でぐんぐんと先へ進む蓮を、真司はただ必死に追いかけた。そのうち真司が追い付くのを待ってくれるようになって、並んで戦うのを許して...
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ハッピーエンド(蓮真)

 映画といえば、真司はやっぱりアクションだと思う。 心臓に悪いサスペンスやホラー、小難しいミステリーなんかはあまり好きではなくて、観るなら痛快なカンフー・アクションやヒーローもの、コメディタッチのバディものなんかが好きだ。 そんなことを言...
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夢じゃない(蓮真)

 静かにしろ、と言っても聞かないくせに、声を聞かせろ、と言えば黙り込む。ずっとそうだ。昼間は頭にくるほど騒がしいくせに、夜、二人きりのベッドの中では、まるで別人のように静かになる。 ほとほとおかしな奴だと思いながら、その汗ばんだ首筋へ鼻先...
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親愛なる隣人(蓮真)

 夏と秋のちょうど境目、というような気候の朝だった。 日差しは暖かいのに風は冷たくて、半袖では少し寒いけれど上着が必要というほどではない。燃えるごみの入った袋を持ってアパートを出た蓮は、すぐ戻るからといつものレザーパンツに借り物のTシャツ...
特撮

幸せな結末(蓮真)

 秋山蓮のマンションにはほとんどといっていいほど無駄なものがない。 真司はちいさな声で「おじゃまします」と言い、自分の部屋とはまったく正反対の、ちりひとつなく整然とした玄関でくたびれたスニーカーを脱いだ。二、三歩あるいてから慌てて振り返り...
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Shangri-La 07

07.Shangri-la  帰る場所があるというのはいい。 それが冷たいポッドや牢獄のような実験施設でなければ、なおさらいい。多少古臭くても。 「それにしても、あんまりじゃない?」 西日に照らされて赤みを増したボブヘアーがさらさらと揺れ...
MCU

Shangri-La 06

06.Daydream Believer  昔なら、この時間は教会で熱心に祈りを捧げていただろう。不格好なサニーサイドアップを皿に載せながら、スティーブは大きなあくびを一つ溢した。信仰を完全に失ったわけではないが、以前ほどの熱はすっかり失...
MCU

Shangri-La 05

05.You Realy Got Me  明かりも消さぬまま、縺れあうようにしてベッドへなだれ込んだ。破られる前に着ていたシャツを脱ぎ捨て、互いのベルトを不器用に解きあう。蹴るようにジーンズを振り落とし、いつもなら寸前まで履いたままでいる...