です。
没っていうか手直しする気力がなくなって没にした感じですが……
EG前に書きはじめていたもので、サムバキとナターシャが任務をめぐってあれこれする話にするつもりでした
没っていうか手直しする気力がなくなって没にした感じですが……
EG前に書きはじめていたもので、サムバキとナターシャが任務をめぐってあれこれする話にするつもりでした
■
見覚えがある。バーンズが言った。どこでだ、と聞き返そうとしたが、その瞬間にはもう隣にいたはずの男の気配はない。慌てて制止しようとしたが、大声を出すわけにはいかなかった。潜入任務中で、そのうえここはプライベートでは一生縁がないだろうほどの高級ホテルだ。大きな声を出すだけで目立ってしまう。作業服と揃いの青いキャップを目深にかぶり直し、恐ろしい速さで遠ざかってゆく背中を追った。
「あの野郎……!」
苛立ちが歩調を荒くさせたが、廊下じゅうに敷き詰められた毛足の長い絨毯に助けられた。そのまま足を速め、ビジネスマン風の出で立ちをした二人組の男と、その後に続いたバーンズの背中を追う。サムの記憶が正しければ、あの二人の顔は今回のミッションに関わるどの資料にも載っていなかった。その資料が完璧だという保証はどこにもない。しかし、バーンズの記憶が正しいという保証もない。
曲がり角で一度見失い、サーバールームで監視カメラをハッキングしているはずのロマノフへ助けを求めようとしたところだった。
「……やりやがった」
何かが倒れたような物音。くぐもった悲鳴。音を頼りに走り、逸る気持ちを抑えて扉を叩く。
「おいっ、開けろっ……!」
何度目かの乱暴なノックのあと、予想より呆気なく扉が開いた。転がるように中へ飛び込み、落ち着き払った様子で銃を構えているバーンズをきつく睨む。
「お前、一体何を……」
「この顔に見覚えは?」
バーンズはサムに一瞥もくれることなく、床に尻をついて呆然としている男たちへ歩み寄った。キャップを脱ぎ捨て、長い前髪をかきあげる。まるでこの世の物ならざる化け物でもみたような悲鳴が二つ上がった。
「あるよな。……俺もある」
感情のない声がそう告げる。つまり、この二人はハイドラの残党ということだろうか。驚きに固まるサムをよそに、バーンズが静かに銃のセーフティーを下した。部屋じゅうの視線が銃口へ集まった一瞬の隙に、バーンズの右足が何かを蹴る。アタッシュケースだ。
「見てみろ」
視線だけはバーンズの右手に合わせたまま、ゆっくりと屈みこむ。これ見よがしに指が引き金から離れたのを確認し、足元に転がるそれを確かめた。
「……暗証番号がいる」
「なるほど」
次の瞬間、銃声が二つ響いた。
「おいっ……!」
男たちの喉から潰れた悲鳴が上がる。それぞれの右膝から血が噴き出し、瞬く間に床に血だまりを作った。慌てるサムをよそに、バーンズは恐ろしいほど静かに二人を見下ろしている。
「今すぐ全部話して楽に死ぬか、殺してくれと泣いて喚きながら死ぬか。どっちだ」
どのみち口は割ってもらうが、と続けたバーンズは、おもむろに男たちへ近づき、右側の男のネクタイを乱暴にほどいた。それを持ち主の口へ噛ませ、もう一人の男の口へ金属の左手を突っ込む。
「これはナシだぜ」
そうあざ笑うように言い、小さなカプセルを床へ放る。まるでスパイ映画でも見ている気分だった。おそらく自殺用の毒だ。
最後の手段を奪われた男が、それでも気丈にバーンズを睨み上げる。サムも聞き覚えのある悪趣味な口上を高らかに述べた男は、けれどすぐにその口をつぐむ羽目になった。グリップエンドで強かに顎を殴られ、定まらない視線を床に這わせている。
「それが使い物になるうちに吐け」
ぞっとするほど冷ややかな声で言ったバーンズは、そのままなんの躊躇もなく男の左膝を撃ちぬいた。そして、続ける。
「俺のやり方はよく知ってるよな。 ――お前も教わったろ?」
サムがよく知るバーンズの口調で、知らない男の声が言った。
それ以上の言葉はいらないようだった。震える唇からいくつかの数字が呟かれる。凍り付いたようだった部屋の空気が一瞬にして溶け、サムも我に返ってアタッシュケースのダイヤルキーを見た。
「ビンゴだ」
「中身もか」
「……ああ」
「じゃあ、あれは仲介屋か。……なるほどな」
あれ、とは、事前に聞いていた本来のターゲットのことだろう。アタッシュケースの中身を見るに、それは忌々しいほど明白だった。
「――先に言っとくけど、私も知らなかったから」
突然の予期せぬ声に、肩が跳ねる。
「お前っ、いつの間に……」
「ついさっきよ。これでも急いで来たんだけど」
ナターシャ・ロマノフはそう言うと、うんざりした顔で室内をぐるりと見回した。悠然とバーンズへ歩み寄り、平手でその頬を容赦なく打つ。
「仕事を増やしてくれてありがとう」
何か言うことは? と眉を吊り上げたロマノフに、バーンズは降参するように小さく両手を上げ、肩を竦めて答えた。
「色々すまなかった。――他言無用で頼むよ」
苛立ちが歩調を荒くさせたが、廊下じゅうに敷き詰められた毛足の長い絨毯に助けられた。そのまま足を速め、ビジネスマン風の出で立ちをした二人組の男と、その後に続いたバーンズの背中を追う。サムの記憶が正しければ、あの二人の顔は今回のミッションに関わるどの資料にも載っていなかった。その資料が完璧だという保証はどこにもない。しかし、バーンズの記憶が正しいという保証もない。
曲がり角で一度見失い、サーバールームで監視カメラをハッキングしているはずのロマノフへ助けを求めようとしたところだった。
「……やりやがった」
何かが倒れたような物音。くぐもった悲鳴。音を頼りに走り、逸る気持ちを抑えて扉を叩く。
「おいっ、開けろっ……!」
何度目かの乱暴なノックのあと、予想より呆気なく扉が開いた。転がるように中へ飛び込み、落ち着き払った様子で銃を構えているバーンズをきつく睨む。
「お前、一体何を……」
「この顔に見覚えは?」
バーンズはサムに一瞥もくれることなく、床に尻をついて呆然としている男たちへ歩み寄った。キャップを脱ぎ捨て、長い前髪をかきあげる。まるでこの世の物ならざる化け物でもみたような悲鳴が二つ上がった。
「あるよな。……俺もある」
感情のない声がそう告げる。つまり、この二人はハイドラの残党ということだろうか。驚きに固まるサムをよそに、バーンズが静かに銃のセーフティーを下した。部屋じゅうの視線が銃口へ集まった一瞬の隙に、バーンズの右足が何かを蹴る。アタッシュケースだ。
「見てみろ」
視線だけはバーンズの右手に合わせたまま、ゆっくりと屈みこむ。これ見よがしに指が引き金から離れたのを確認し、足元に転がるそれを確かめた。
「……暗証番号がいる」
「なるほど」
次の瞬間、銃声が二つ響いた。
「おいっ……!」
男たちの喉から潰れた悲鳴が上がる。それぞれの右膝から血が噴き出し、瞬く間に床に血だまりを作った。慌てるサムをよそに、バーンズは恐ろしいほど静かに二人を見下ろしている。
「今すぐ全部話して楽に死ぬか、殺してくれと泣いて喚きながら死ぬか。どっちだ」
どのみち口は割ってもらうが、と続けたバーンズは、おもむろに男たちへ近づき、右側の男のネクタイを乱暴にほどいた。それを持ち主の口へ噛ませ、もう一人の男の口へ金属の左手を突っ込む。
「これはナシだぜ」
そうあざ笑うように言い、小さなカプセルを床へ放る。まるでスパイ映画でも見ている気分だった。おそらく自殺用の毒だ。
最後の手段を奪われた男が、それでも気丈にバーンズを睨み上げる。サムも聞き覚えのある悪趣味な口上を高らかに述べた男は、けれどすぐにその口をつぐむ羽目になった。グリップエンドで強かに顎を殴られ、定まらない視線を床に這わせている。
「それが使い物になるうちに吐け」
ぞっとするほど冷ややかな声で言ったバーンズは、そのままなんの躊躇もなく男の左膝を撃ちぬいた。そして、続ける。
「俺のやり方はよく知ってるよな。 ――お前も教わったろ?」
サムがよく知るバーンズの口調で、知らない男の声が言った。
それ以上の言葉はいらないようだった。震える唇からいくつかの数字が呟かれる。凍り付いたようだった部屋の空気が一瞬にして溶け、サムも我に返ってアタッシュケースのダイヤルキーを見た。
「ビンゴだ」
「中身もか」
「……ああ」
「じゃあ、あれは仲介屋か。……なるほどな」
あれ、とは、事前に聞いていた本来のターゲットのことだろう。アタッシュケースの中身を見るに、それは忌々しいほど明白だった。
「――先に言っとくけど、私も知らなかったから」
突然の予期せぬ声に、肩が跳ねる。
「お前っ、いつの間に……」
「ついさっきよ。これでも急いで来たんだけど」
ナターシャ・ロマノフはそう言うと、うんざりした顔で室内をぐるりと見回した。悠然とバーンズへ歩み寄り、平手でその頬を容赦なく打つ。
「仕事を増やしてくれてありがとう」
何か言うことは? と眉を吊り上げたロマノフに、バーンズは降参するように小さく両手を上げ、肩を竦めて答えた。
「色々すまなかった。――他言無用で頼むよ」
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と、ここで力尽きました
アクションとか任務内容の描写って難しくて困りますね
もっとえげつないことさせたかったんですけど、元ヴィランのヒーローに許されるぎりぎりのえげつないことってなんだ?ってとこで脳みそぐるぐるになって終了です
そもそも敵前でスイッチ入って豹変するバッキーを書きたかったんですが、なんかね~、力尽きちゃったです
以上、言い訳でした
アクションとか任務内容の描写って難しくて困りますね
もっとえげつないことさせたかったんですけど、元ヴィランのヒーローに許されるぎりぎりのえげつないことってなんだ?ってとこで脳みそぐるぐるになって終了です
そもそも敵前でスイッチ入って豹変するバッキーを書きたかったんですが、なんかね~、力尽きちゃったです
以上、言い訳でした
