ツイッター(略)・その3

です!
尻切れ!力尽きたぁ~~~!

#4・「顔商売に何してくれてんだ」

 つぎは絶対にシャワールームが広い部屋を選ぶ。セバスチャンは内心でそう決意し、残り少ないボディーソープのポンプをがしゃがしゃと押した。不規則に吹き出るソープをいつもより多めにとり、向かい合って立つクリスの胸元へ塗りつける。
「うおっ……」
「冷たかった?」
 ごめんね、と笑いながら、クリスの薄い胸毛の上で泡を立てた。まるく盛り上がった胸筋がくすぐったげに何度か痙攣する。すぐ目の前にある顔をそっと盗み見ると、伏せられた長い睫毛が不安げに震えていた。
「そんなに怯えないでよ」
 努めて明るい声をかけながら、胸元から腹筋、腰、背中、肩へと手を滑らせていく。完璧なかたちに鍛え上げられた体は、こうして触れているだけでも十分に興奮の材料になる。
 セバスチャンの高揚を察したのか、クリスが逃げるように体を捩らせはじめた。このあと何をするかは事前にきちんと伝えてある。
「ダメだよ。中までちゃんと洗わないと」
「……言うなって」
 クリスのしっかりとした眉毛が困ったように下がった。可愛いなあなどとのんきに考えながら、両手を下へ下へと滑らせていく。厚みのわりに細い腰から、セバスチャンがこの世で一番セクシーだと思う尻へ手を伸ばし、緊張で張りつめた筋肉の感触を楽しむ。
「ちょっと、いちいち揉むなよ!」
 クリスが慌てたようにとがった声を上げた。そんなふうに言われると、自分がまるで最低のセクハラ野郎呼ばわりされているような気分になる。状況的に、言い逃れは不可能だ。
「ごめんったら。……じゃ、もう始めていいよね?」
 オッケー、と勝手にクリスの言葉を代弁し、返事も反論も聞かずに指を滑らせていく。クリスの、というかすべての人間にとって極めてデリケートな部分へだ。焦らすように尾てい骨のくぼみをくすぐり、そのまま固い窄まりをノックするようにつつく。
「――ひっ」
 クリスの喉からひきつったような悲鳴が飛び出た。その次の瞬間、セバスチャンの眼前にぱちぱちと星が瞬く。
「いっ――!?」
 鼻のつけねあたりに、恐ろしく硬いもので殴られたような強い衝撃があった。思わず後ろへよろめき、泡まみれの手で顔を覆う。生理的な涙を必死にこらえながらクリスを見ると、彼もしゃがみこんで額を押さえながら情けない呻き声をあげていた。
「おっ……まえ、俺の商売道具に……」
 なんてことを! と押し殺した声で怒鳴る。エージェントが見たら血の気を失う光景だっただろう。それ以前にセバスチャン・スタンの自宅のバスルームにいる全裸のクリス・エヴァンスを見て気を失うかもしれないが、ともかく、まずは鼻の安否が最優先だ。折れてはいない。曲がってもないしへこんでもいない。よかった、と胸を撫でおろしたセバスチャンを、目に涙を浮かべたクリスがかっと睨んだ。そしてしゃがんだまま吠えるように叫ぶ。
「俺の尻も商売道具だ!」
「……それ、なんかそれエロいな」
「そういう話をしてるんじゃない!」

おわり